ドメイン参加しているPCでIntuneの機能を利用する方法 

2025.06.24

こんにちは!小林です! 
このブログでは、Active Directory(AD)で管理しているドメイン参加PCを、MDM登録してIntuneの機能を使えるようにする方法を紹介します。この方法で、オンプレミスのADを利用している企業がEntra IDでの管理に移行でき、Intuneでのデバイス管理が可能になります。AD環境からAD+Entra IDのハイブリッド環境に移行し、より効率的で安全なIT環境を構築していきましょう! 

目次

1.Entra ConnectでADとEntra IDのユーザ同期

はじめに、管理別の特徴を以下の表に示します。

項目 Active Directory (AD) AD + Entra ID Microsoft Entra ID 
デバイス参加 AD参加 Entra ハイブリッド参加 Microsoft Entra参加 
定義 オンプレミスのWindows Server上で動作するディレクトリサービス オンプレミスのADとEntra IDのハイブリッドサービス クラウドベースのID管理サービス 
ユーザ管理 オンプレミスのADで、ユーザ管理 ADとともに、Entra IDでのユーザ管理 Microsoft Entra IDで、ユーザ管理 
多要素認証 × MFA MFA 
SaaSへのアクセス制御 × 条件付きアクセス 条件付きアクセス 
デバイス管理 GPO GPOとIntune Intune 
認証 Kerberos および NTLM プロトコル 両方を利用(環境依存) OAuth/OpenID Connect ベースのプロトコル 

表1.管理別表 

このブログでは、Active Directory(AD)環境からAD+Entra IDのハイブリッド環境に移行します。オンプレのアプリを増やさずに、PC変更や環境再編時にEntra ID管理へ移行していくことで、最終的にEntra IDのみの環境を目指します。 今回はAD + Entra ID (上記表青字部分)にフォーカスを当てます。


1.「サーバーマネージャー」から、「ツール」、「Active Directoryドメインと信頼関係」を開きます。


2.「Active Directoryドメインと信頼関係」を右クリックし、「プロパティ」を開きます。


3.利用しているドメインを追加し、「OK」をクリックします。 


4.「サーバーマネージャー」から、「ツール」、「Active Directoryユーザーとコンピューター」をクリックします。


5.同期させるユーザーを選択し、「プロパティ」をクリックします。 
※ユーザーはまとめて選択可能です。


6.「アカウント」タブから、ログオン名のドメインを、利用しているドメインに変更します。
※ドメインを変更することで、ドメイン参加PCのドメインの表示も更新されます。 
写真のように、ドメインがYJK.localから@yjk365.jpになります。 


7.以下のURLから、Entra Connectをインストールし、「簡単設定を使う」をクリックします。 
Download Microsoft Entra Connect from Official Microsoft Download Center 


8.「ユーザー名」を入力し、「次へ」をクリックします。


9.アカウントへログインします。 


10.ADの管理者でログインし、「次へ」をクリックします。


11.利用しているドメインが「確認済み」になっていることを確認し、「次へ」をクリックします。
※確認済みになっていない場合、ADのUPNサフィックスが登録できていないか、管理センターで利用しているドメインが追加されていない可能性があります。 


12.「インストール」をクリックします。


13.「終了」をクリックします。


14.同期をすることで、Entra管理センターにユーザーが追加されました。

2.Entra ハイブリッド参加でADとEntra IDのデバイス同期

1.「Entra Connect」を開き、「構成」をクリックします。


2.「デバイス オプションの構成」をクリックし、「次へ」をクリックします。


3.「次へ」をクリックします。


4.「次へ」をクリックします。


5.アカウントへログインします。


6.「ハイブリッド Microsoft Entra ID 参加の構成」を選択し、「次へ」をクリックします。


7.適切な方を選択し、「次へ」をクリックします。


8.「追加」をクリックします。


9.ADの管理者アカウントへログインします。


10.「次へ」をクリックします。


11.「構成」をクリックします。 


12.「終了」をクリックします。 


13.ドメイン参加済みPCから、ドメイン参加を切断します。「設定」から「アカウント」、「切断」をクリックします。


14.ドメイン参加を切断したPCで、再度ドメイン参加をします。「設定」から「アカウント」、「接続」をクリックします。


15.「このデバイスをローカルのActive Directoryドメインに参加させる」をクリックします。 


16.「ドメイン名」を入力し、「次へ」をクリックします。


17.ADで作成したユーザーでログインします。


18.適切な「アカウントの種類」を選択し、「次へ」をクリックします。


19.再起動します。


20.再起動後、「コマンドプロンプト」を実行し、下記コマンドを入力します。

結果、AzureAdJoinedとDomainJoinedがYESになっていれば成功です。


21.Entra管理センターにも、ユーザーに紐づいたデバイスが登録されています。 

3.GPOでIntuneにデバイス登録

1.「サーバーマネージャー」から、「ツール」をクリックし、「グループポリシーの管理」をクリックします。


2.MDM登録するOUを右クリックし、「このドメインにGPOを作成し、このコンテナーにリンクする」をクリックします。


3.「名前」を入力し、「OK」をクリックします。


4.作成したGPOを右クリックし、「編集」をクリックします。


5.「コンピューターの構成」の「ポリシー」をクリックし、「管理用テンプレート」をクリックします。


6.「Windows コンポーネント」をクリックします。


7.「MDM」をクリックします。


8.「規定のAzure AD資格情報を使用して自動のMDM登録を有効…」をクリックします。


9.「有効」をクリックし、「OK」をクリックします。


10.ドメイン参加しているPCで、コマンドプロンプトを開き、下記コマンドを入力します。

※GPOを同期させるコマンドです。


11.「設定」から、「アカウント」、「情報」が出てくれば成功です。 


12.Entra管理センターのデバイス一覧で、今回登録したデバイスの「MDM」「セキュリティ設定の管理」が、「Microsoft Intune」になっています。 

4.補足―Officeのライセンス変更、アカウント種類別説明

1.Officeのライセンス変更 

1.「Word」を開き、「アカウント」をクリックします。


2.「ライセンスの切り替え」をクリックします。


3.「次へ」をクリックします。


4.「次へ」をクリックします。


5.Officeが更新されたことを確認します。


2.アカウント種類別説明 

項目 ローカルアカウント Microsoftアカウント Active Directoryアカウント Microsoft Entraアカウント 
定義 コンピュータやデバイスに直接作成されるアカウント Microsoftが提供するクラウドベースのアカウント オンプレミスのActive Directoryで管理されるアカウント Microsoft Entra IDで管理されるクラウドベースのアカウント 
設定者 ユーザー自身 ユーザー自身 システム管理者 システム管理者 
用途 個人 個人 法人 法人 
管理方法 個別管理 個別管理 管理者による一括管理 管理者による一括管理 
サインインURL なし https://account.live.com/ なし https://m365.cloud.microsoft/ 
多要素認証 × 一部対応 × 〇 

表2.アカウント別表

 

項目 個人向けプラン 法人向けプラン 
アカウント Microsoftアカウント 職場および学校アカウント 
ユーザー数 Personal:1名 Family:最大6名 1名から利用可能(一般法人向けプランは最大300名) 
ユーザー・ライセンス管理方法 ユーザー自身が管理 管理者がライセンスを管理 
OneDrive 個人用のOneDriveストレージ ビジネス向けのOneDrive for Business 
Teams 個人向けのTeamsアプリ 企業向けのTeamsアプリ 
決済方法 クレジットカード(MOSP) クレジットカード(MOSP)、請求書払い(リセラー) 

表3.プラン別表 

5.参考

Microsoft のディレクトリ ベースのサービスを比較する – Microsoft Entra ID | Microsoft Learn 
マネージド ドメイン用(AD FS なし) Hybrid Azure AD Join を一から構成する | Japan Azure Identity Support Blog 
Entra登録、Entra参加、Entraハイブリッド参加 | mitsurublog 
Microsoft Entra を使ったデバイス管理の考え方 – IT Admin Blog by ZUNDA 
【Microsoft 365】個人で利用するならどのプラン?法人向けとの違いも解説 | NECネッツエスアイ 
ドメイン参加、Entra参加、Entra Hybrid参加について考える|Kernel 

 







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