Exchange Onlineの添付ファイル容量の上限を変更する方法 

2025.05.16

こんにちは!竹内です! 
今回は、Exchange Onlineの添付ファイルの容量制限を自由に設定する方法をご紹介します。 

普段業務を行う中で、メールは主要なコミュニケーションツールの一つだと思います。しかし、大容量のファイルを送信する際に、メールの添付ファイル上限に悩まされることも多いのではないでしょうか。ユーザーはファイルを送信できないことで仕事が進まない可能性もありますし、その対応に追われる情報管理者も苦労します。 
また、その際に外部のファイル共有サービスを利用されたりしたら恐ろしいですよね。 

そこで今回は、管理者側でExchange Onlineの添付ファイルの容量制限を変更する方法をご紹介します。これにより、ユーザーの業務効率を向上させ、セキュリティリスクを低減することもできます。 
普段使うことが多いメールの管理を効率化させましょう! 


添付ファイルの上限がある場合


添付ファイルの容量制限を変更した場合


■プランごとの設定値 

プラン 既定のメッセージ容量 (送信) 既定のメッセージ容量 (受信) 最大のメッセージ容量 (送信) 最大のメッセージ容量 (受信) 
Microsoft 365 Business Basic 35 MB 36 MB 150 MB 150 MB 
Microsoft 365 Business Standard 35 MB 36 MB 150 MB 150 MB 
Microsoft 365 Business Premium 35 MB 36 MB 150 MB 150 MB 
Microsoft 365 Enterprise E1 35 MB 36 MB 150 MB 150 MB 
Microsoft 365 Enterprise E3 35 MB 36 MB 150 MB 150 MB 
Microsoft 365 Enterprise E5 35 MB 36 MB 150 MB 150 MB 
Office 365 Enterprise E1 35 MB 36 MB 150 MB 150 MB 
Office 365 Enterprise E3 35 MB 36 MB 150 MB 150 MB 
Office 365 Enterprise E5 35 MB 36 MB 150 MB 150 MB 
Office 365 Enterprise F3 35 MB 36 MB 150 MB 150 MB 

目次

1.Exchange Onlineの添付ファイル上限による業務上の課題

■ユーザー 
・資料の送信ができず、業務が遅延する。 
・ファイルを分割して送信する手間が増え、効率が低下する。 

■情報担当者 
・ユーザーからの「ファイルが送れない」という問い合わせに対応する手間。 
・社内のITポリシーに従って適切なファイル共有方法を提供する必要があり、負担が増える。 

■会社 
・外部のファイル共有サービスを利用されることで、セキュリティリスクが増加する可能性がある。 
・業務の進行が遅れることで、全体の業務効率が低下する。 

2. Exchange Onlineの添付ファイルの容量上限を変更する手順

設定前 
メッセージ容量の上限が既定値になっています。
最大送信サイズ:35MB 
最大受信サイズ:36MB 

ユーザー単位で設定する方法

-ユーザーごとに設定 
1. Microsoft 365 管理センターからExchange 管理センターを開きます。


2.「受信者」のプルダウンから「メールボックス」をクリックします。


3.添付ファイル容量の上限を変更するユーザーをクリックします。


4.「メールボックス」のタブを開き「メッセージサイズ制限の管理」をクリックします。


5.任意のメッセージサイズを入力し「保存」をクリックします。


6.「設定が更新されました」という表示が出ます。


7.メッセージ容量の上限が変更されたことが確認できました。


-複数ユーザーをまとめて設定 
1.添付ファイル容量の上限を変更するユーザーを選択し、「メールフローの設定」をクリックします。 


2.「メッセージサイズの制限」をクリックします。 


3.任意のメッセージサイズを入力し「保存」をクリックします。 


4.それぞれメッセージ容量の上限が変更されたことが確認できました。 
【yjkadmin】 


【YJKお問い合わせ】 


【山田 次郎】

テナント全体で設定する方法

1.デスクトップの検索マークから「PowerShell」と検索します。


2.「Windows PowerShell」の「管理者として実行」をクリックします。


3.「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか」というポップアップが出るため、デバイス管理者のアカウント名とパスワードを入れ「はい」をクリックします。


4.コマンド入力画面が表示されます。
この画面で以下の通り順番にコマンドを入力していきます。 
コマンドの解説は、3.コマンドの解説とトラブルシューティング  の解説をご覧ください


4-1.下記コマンドをコピー&ペーストし、「Y」と入力します。
Install-Module -Name Exchange OnlineManagement 
Import-Module Exchange OnlineManagement 


4-2.下記コマンドをコピー&ペーストします。 
※ここでは、青字部分に全社のメールボックスを管理している管理者アカウントを入力します。
Connect-Exchange Online -UserPrincipalName
yjkadmin@yjk365.onmicrosoft.com 


4-3.サインイン画面が表示されるため、パスワードを入力し「サインイン」をクリックします。


4-4.設定している認証方法に従いサインインします。 
※弊社ではAuthenticatorによるMFAを設定しているため、表示された数字を入力しサインインを続けます。


4-5.下記コマンドをコピー&ペーストします。 
※ここでは、青字部分の数値でメッセージ容量を指定しているため、任意の数値を入力します。
Get-Mailbox -ResultSize Unlimited | Set-Mailbox -MaxSendSize 150MB -MaxReceiveSize 150MB 

以上で設定は完了です。 


設定結果 

Exchange管理センターで確認 
Exchange 管理センターから、メッセージ容量の上限が変更されたことが確認できました。 


設定の結果エクスポート 

下記コマンドを入力することで、メールアドレスごとの設定値がCSV形式でエクスポートできます。
Get-EXOMailbox -ResultSize Unlimited -RecipientTypeDetails UserMailbox,SharedMailbox,RoomMailbox,EquipmentMailbox | Select DisplayName,UserPrincipalName,MaxSendSize,MaxReceiveSize | Export-CSV -Encoding UTF8 -NoTypeInformation -Path “C:\Temp\SizeList.CSV”


CSVで表示名メールアドレス最大送信サイズ、最大受信サイズが出力できました。 
設定が反映されていることが確認できます。

3.コマンドの解説とトラブルシューティング

コマンドの解説 

手順 説明 
4-1. Install-Module -Name Exchange OnlineManagement  Import-Module Exchange OnlineManagement  
→Exchange Online Managementという、Exchange Onlineを管理、操作するためのモジュールをインストールし、インストールしたモジュールを使えるように準備します。 
4-2. Connect-Exchange Online -UserPrincipalName yjkadmin@yjk365.onmicrosoft.com  
→PowerShell上で管理者アカウントにサインインします。これにより、メールシステムを操作できるようになります。 
4-5. Get-Mailbox -ResultSize Unlimited Set-Mailbox -MaxSendSize 150MB -MaxReceiveSize 150MB  
→サインインしたアカウントで管理しているExchange Onlineが管理しているすべてのメールボックスを探し、各メールボックスのメッセージ容量を指定します。 


トラブルシューティング
エラーコード:0xffffffff80070520 


解決方法 
モジュールのダウングレードを行うことで解決する場合があります。以下手順です。 
1.Windows PowerShellを一度閉じる 
2.下記コマンドを入力 
Uninstall-Module -Name Exchange OnlineManagement 
Install-Module -Name Exchange OnlineManagement -RequiredVersion 3.6.0 

3.手順4-1から再開 


手順4-5でテナント全体ではなくメールボックスの種類ごとに設定したい場合 
4-5.ではテナント全体を指定していますが、メールボックスの種類で指定することもできます。(例えばユーザーメールボックス、共有メールボックス等) 
下記コマンドをコピー&ペーストします。青字部分でメールボックスの種類を指定します。 
Get-EXOMailbox -ResultSize Unlimited -RecipientTypeDetails UserMailbox,SharedMailbox,RoomMailbox,EquipmentMailbox | foreach { Set-Mailbox -Identity $_.Identity -MaxReceiveSize 50MB -MaxSendSize 50MB } 

メールボックスの種類 
UserMailbox(ユーザーメールボックス) 
SharedMailbox(共有メールボックス) 
ResourceMailbox(リソースメールボックス) 
RoomMailbox(会議室メールボックス) 
EquipmentMailbox(設備メールボックス) 



その他お困りごとも動画で解説!